研究紹介:プラズマ照射によるCO2/N2分離フィルタの作製   

                             by 小林 奈都美 

温室効果ガスであるCO₂は、火力発電所や工場から大量に発生しており、効率よく回収することが求められています。いくつかある分離方法の中で、分離フィルター(分離膜)は吸着材を使うなど他の方法に比べて、膜を通すだけでよいため、簡単で低コスト、省エネルギーという大変素晴らしい方法です。

しかし、こうした優れた方法である分離膜にも欠点があります。それは、気体を分離しようとすればするほど、気体を通さなくなってしまうことです。大量にCO₂を排出する場所、例えば工場や火力発電所などで使えて、しかもCO₂を高濃度で分離回収できるフィルター素材があったら素敵だと思いませんか??。

そこで着目したのがポリジメチルシロキサン(通称PDMS)。この高分子は他の高分子と比べて主鎖が回転しやすく、気体をより多く性質を持っています。PDMSの分離性を向上することができれば。よりよい分離膜素材ができるはず。

このPDMSの優れた期待を通す性質を保ちながら、分離性を上げられないかと、注目したのがO₂プラズマによる表面改質です。低圧下で気体を電離衝突させる方法で、物理的に削る効果と表面の結合を切って被膜を作る効果があるといわれています。この方法によって表面積をあげながら、分離性を向上できないか、影響を調べています。