研究紹介:ナノファイバーの薬剤徐放性評価
by 吉田 創貴
血管が膨らんでしまう動脈瘤という病気を治療する手段として,ステントグラフト挿入術というものがあります.ステントグラフトとは, 円柱構造をした金属の網:ステントに布を巻いた,人工血管のことを指します.
現在,ステントグラフト作製時にエレクトロスピニングという紡糸技術を応用する研究が進んでいます.エレクトロスピニングで得られた ポリマーのファイバーを布代わりにして,人工血管を作製するというものです. 私達の研究室では,従来のステントグラフトに新規の機能:薬剤溶出性を付与したいと考え,鈴木研究室と医師の方,医療機器メーカーの 方と共同で研究を行っています.
ポリマーの種類や形状の違いによる,薬剤含有量や溶出傾向の違いを研究することで,目的に適した薬剤溶出性ステントグラフトを創製す ることが目標です.